篠原鋭一さん著書、「崖っぷちのあなたを救ってくれるお坊さんの話」を読みました。
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この本は人生の困難や壁に直面したとき仏教の教えを通じて心を救い、道を示してくれるメッセージが込められた一冊です。
篠原さんは曹洞宗長寿院の住職であり、24時間いつでも自殺志願者からの電話相談を受ける活動をされています。
仏教に触れる機会が少ない人にとって仏教の教えは難しそう、敷居が高いと思われがちです。
しかし、この本では仏教の理論や教義を分かりやすく伝えてくれます。
現代的な悩みや苦しみの解決方法を、篠原さんが今まで相談に乗ってこられた方の体験をもとに書かれています。
仏教の教えを活かしながら、悩みを抱える人に対して実践的なアドバイスが盛り込まれており、多くの読者にとって心の支えとなる本だと思います。
1. 人生の「崖っぷち」とは何か
まず、本書で語られる「崖っぷち」とは人生において誰しもが経験するであろう、本当に辛く苦しい瞬間のことです。
例えば失業や離婚、大切な人を失ったり、自分自身の価値が見いだせなくなる瞬間など。
心が揺さぶられて、未来が見えなくなるような時期です。
このような時、人は孤独を感じ希望を見失いがちです。
しかし篠原さんはそのような「崖っぷち」のときこそ、人間として成長するチャンスでもあり、仏教の教えがその状況を乗り越えるための助けになるとも説かれています。
単なる悲観や絶望ではなく、それを乗り越えるための内的な変化や成長を促すもの。
仏教的な視点で見れば苦しみは避けるべきものではなくそれを受け入れ、そこから学びを得て自己を高めていくための重要な機会。
この教えが、本書の大きなテーマの一つになっているとも思えます。
2. 死と向き合ったからこそのアドバイス
死にたい、もう人生を終わらせたいと考え悩んでいる人は誰かの言葉すら入らない極限の状態かもしれません。
他人に何が分かるんだと、言いたくなることもあると思います。
ただ、篠原さん自身も自ら命を絶とうとしたことがあります。
その経験があるからこそ、死を選ぼうとしてしまう人に寄り添った語りができるのだと思います。
単に理屈で説くだけでなく、具体的にどうすれば生きる力を取り戻せるか。
アドバイスを提示し、仏教の知識がない人でも心に響く内容となっています。
3. 日常にどう活かすか
篠原さんは本書の中で仏教の教えを知識として紹介するだけでなく、それを実生活にどのように活かすかという具体的なことも書かれています。
すべてのものは変化し、永遠に続くものはないという仏教の基本的な概念無常。
どんなに苦しい状況であっても、やがて必ず変わっていくものだと信じる。
これにより、冷静にその状況を受け入れることができるようにもなります。
まとめ
『崖っぷちのあなたを救ってくれるお坊さんの話』は、人生の困難や苦しみとどう向き合い、乗り越えていくかを仏教の教えを通して学べる一冊です。
篠原さんは仏教の深い教えをわかりやすく、そして現代の私たちが直面する具体的な問題に即した形で説明してくれています。
仏教の知識がない人でも、理解しやすい内容となっていますよ。
また、実践的なアドバイスや日常生活にも活かせるような考え方が紹介されています。
ただ本を読むだけでなく、実際に自分の生活に取り入れることで心の安定や成長を感じることができるかもしれません。
人はいつ、自分がどんな「崖っぷち」に立たされるかわかりません
ただ、その瞬間はただの絶望ではなく、新たな可能性や成長へのステップであることも間違いないと思います。
そして、人は一人ではないということも教えてくれる一冊です。
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